(一般・公募) [フォーラム] 兵庫県博の新収蔵庫棟開館記念フォーラムと講習会(12/3, 4)

日本植物分類学会の皆さま

兵庫県立人と自然の博物館の新収蔵庫棟の開館記念のイベントとして、フォーラムと技術講習会のご案内です。
申込締め切りは、どちらも11/30(水)までです。

———————————————————-
髙野温子@兵庫県立人と自然の博物館です。
12月3日と4日、以下の要領で技術講習会とフォーラムを開催いたします。
関心のある方の参加申込をお待ちしております。

【拡散!シェア希望です】
平成20年から要請し続けてきた新収蔵庫棟【コレクショナリウム】が、この10月末にようやくオープンしました。
これを記念して、自然史博物館における標本や資料の役割について、12月3~4日に①デジタル化実習および②学術フォーラムを2日かけて開催いたします。
本事業は、令和4年度文化庁Innovate MUSEUM事業「自然史デジタルミュージアム推進事業」(ネットワークの形成による広域等課題対応支援事業)の支援を受けて実施いたします
1日目の実習では、商業撮影から文化財撮影までの豊富な実務経験がある堀内氏、アーカイブとデータベース構築を専門とする藤本氏を交えて、様々な博物館のエキスパートも参画して、デジタル化に関する実務技術に関する実習をがっちり紹介します。また、午前中は、収蔵庫や展示設計に関する苦労や技術的ブレイクスルーなどを交えて詳細テクニックを三橋が説明します。
2日目のフォーラムでは、当博物館スタッフによる標本活用と整備に関する話題提供に加えて、京都大学の阪口氏による生物系統地理学の最新トピックや、クイーンズランド大の天野氏による自然史資料やデータに基づく科学的根拠の重要について世界各地の事例をもとに解説いただきます。
皆様のご参加をお待ちしております。特に、各地の博物館学芸員の方々には、ぜひご参加いただき、交流会の場にもなることを期待しております。
————————-
①【見学と実習】
新収蔵庫建設見学会および自然史標本のデジタル化技術に関する博物館学芸員向け講習会(12/3)
人と自然の博物館の新収蔵庫棟の見学説明会およびデジタル化技術に関する講習会を開催いたします。おもに、博物館学芸員および学芸員を目指す方、行政職員、展示会社さんなどを対象とした講座となっています。新収蔵庫の建設にあたって必要な設計や施工上の留意点やTIPS、新素材に関する説明、特に収蔵庫設計上の工夫などをお話しします。午後からは新施設内に設置したスタジオを活用したワークショップを開催し、撮影およびデータベース設計の実演します。施設の関係上、参加人数に限りがありますので、早めにお申し込みください。学芸員どうしの交流にもなりますので、新収蔵庫建設を検討されている方、デジタル化を進められている方にお勧めです。(参加無料です!)
関心のある方のご参加をお待ちしております。
開催日時: 2022年12月3日(土)10時30分~16時30分
会場:兵庫県立人と自然の博物館 新収蔵庫棟
申し込み締め切りは、11月30日まで。
WEB配信いたします。
申し込み: https://forms.gle/YsobpGHvb5uYeZtQ8
午前の部(10時30分~11時45分)
 新収蔵庫棟の建設の工夫と展示技術TIPS 三橋弘宗・高野温子(兵庫県立人と自然の博物館)
午後の部(13時~16時30分)
13時~14時30分 「ひとはくの植物標本撮影装置の概要説明」
(NPO法人フィールド 堀内保彦氏)
 講演のあと、実際の撮影装置と撮影作業の様子をご覧頂きます。
15時~16時30分 「Survey Data Collectorを使ったデジタルアーカイブコンテンツ作成について」
(NPO法人フィールド/豊岡芸術文化観光大学 藤本悠氏)
Survey Data Collectorは、講師の藤本氏が開発したデジタル画像アーカイブソフトです。ソフトの概要についてご講演頂いた後、実習形式でソフトの利用法を学びます。
—————
②【フォーラム】
 自然史資料はなぜ大切か?(12/4)
自然史標本は、正しく生物に名前をつけるために欠かせない材料であり証拠品です。標本を活用して、分類学や生態学をはじめとする生命科学研究や環境保全が進められています。近年になって、ゲノム技術や情報技術の発展にともなって、客観的な証拠を伴って系統進化を実証できる時代になりつつあります。特に、古い標本は、過去を復元し、未来を設計するために欠かせない材料になっています。研究だけでなく、生物多様性の保全や材料工学や医療や薬学への活用、考古学や民族学、さらに芸術や教育分
野においても、標本は最も重要な研究資源の1つとして認識されています。
一方で、自然史標本の価値には大きな注目が集まっていますが、標本保存を進める体制ついては、国内外において厳しい状況にあります。あまり馴染のない分野の方からすれば、「そんなに集めてどうするの?」、「もっと直ぐに役立つことに予算使いなさい」、「これ以上集めても無駄なんでやめて欲しい」といった近視眼的な意見に、全国の自然史系博物館員は、説得と調整と工夫で対応しています。当館でも、様々な意見とも折り合いながら、開館30周年を迎え、標本のもつ価値を広く社会に発信する新施設
として、新収蔵庫棟“コレクショナリウム”を新設しました。
改めて、自然標本はなぜ大切なのか?全国の自然史博物館員がこれまで何度も各方面から投げられてきた疑問に、正面から答えるシンポジウムを企画しました。最新の研究分野、収蔵保存の設備と技術、博物館の社会インフラとしての価値論を取扱い、未来のミュージアムのあるべき姿について議論を深めたいと思います。
 関心のある方のご参加をお待ちしております。
 申し込み締め切りは、11月30日まで。
申し込み
 https://forms.gle/tzYK87AGymx3pUuf7
日時:2022年12月4日(日) 13:00―16:30
会場:兵庫県立人と自然の博物館 新収蔵庫棟および大セミナー室
開催趣旨説明
 三橋弘宗(  兵庫県立大学/兵庫県立人と自然の博物館    )
講演
Museomics からせまる 絶滅危惧種の保全遺伝学
中濱直之(兵庫県立大学/兵庫県立人と自然の博物館)

標本ゲノミクス 広義アキノキリンソウのユーラシア拡散史
阪口翔太(京都大学)

AIを用いた標本デジタル画像の種名判定システムの開発
髙野温子(兵庫県立大学/兵庫県立人と自然の博物館)

生物多様性保全において科学的知見が果たす役割
天野達也(クイーンズランド大/WEB参加)

総合討論 「自然史標本の未来」

両日とも、NPO法人西日本自然史系博物館ネットワークおよび兵庫県立人と自然の博物館の主催となります。

———————————————————-