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活動他/2018年度講演会

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2018年度日本植物分類学会講演会のお知らせ

2018年度の日本植物分類学会講演会を次のとおり開催いたします。今回は、6名の先生方にご講演いただきます。皆様お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。なお,会場は大阪学院大学の林一彦先生にお世話いただきます。会員外でも参加できますので多くの方々のご参加をお待ちしています。

日時
2018年12月15日(土)午前10時〜午後4時40分
会場
大阪学院大学2号館地下1階2号教室(02-B1-02 教室) 〒564-8511 大阪府吹田市岸部南2丁目36番1号(電話:06-6381-8434)

 プログラム

演者 演題
10:00-10:05 伊藤 元己(学会長) ご挨拶
10:05-10:55 伊東 拓朗 マンネングサ属の特異な生き様に着目した植物進化研究
11:00-11:50 羽生田 岳昭 分子系統地理学的なアプローチで探る海藻類の移入
11:50-13:10 昼食
13:10-14:00 高山 浩司 小笠原諸島南硫黄島の植物相とシマクモキリソウの再発見
14:05-14:35 道盛 正樹 しだとこけ談話会を礎にして
14:35-14:50 休憩
14:50-15:40 山田 敏弘 球果によるマツ属の分類と日本のマツ亜属の進化史
15:45-16:35 塚腰 実 岐阜県可児市から見つかった新第三紀中新世のショウガ目果実化石
16:35-16:40 林 一彦 ご挨拶

 会場までのアクセス

JR 東海道本線岸辺駅あるいは阪急京都線正雀駅から大阪学院大学までともに徒歩5 分。

交通アクセス http://www.osaka-gu.ac.jp/guide/campus/access.html

キャンパスマップ http://www.osaka-gu.ac.jp/guide/campus/index.html

 その他

事前の参加申し込みは不要です。直接会場へお越しください。参加費は無料ですが、お茶代として1人100円のご協力をお願いします。

また講演会終了後,大阪学院大学職員食堂(17号1階)で懇親会を行います。懇親会の参加費は 4,000 円(院生・学部学生には割引あり)です。参加を希望される方は準備の都合がありますので,できるだけ事前に fuse_at_sys.bot.kyoto-u.ac.jp(_at_を@に置換してください)までご連絡ください。なお、当日申込も可能です。

 講演内容(執筆は各演者による)

マンネングサ属の特異な生き様に着目した植物進化研究

伊東 拓朗 (京都大学大学院農学研究科)

 ベンケイソウ科マンネングサ属は、多肉植物と呼ばれる一般に乾燥地に適応的な草本である。しかしながら、東アジア地域、特に高山が発達した様々な微細環境を有する台湾では例外的に湿潤で暗い環境にまで進出し、著しく多様化を遂げている。本講演ではその多様化プロセスの経緯を最新の研究成果を基に紹介する。また形態的な可塑性が大きいことから分類学的な取り扱いが難しいとされてきたマンネングサ属について、遺伝子解析によって続々と明らかになってきた新事実やその特殊な生態についても紹介する。

分子系統地理学的なアプローチで探る海藻類の移入

羽生田 岳昭(神戸大学内海域環境教育研究センター)

 外来生物(移入種)の問題は深刻な環境問題の1つとなっています。海藻類の場合,大きな問題となっているのは日本沿岸への移入よりもその逆のパターンであり、多くの海藻類が日本周辺地域から世界各地へと侵入し、分布を拡大させています。分子系統地理学的なアプローチから海藻類の移入の起源や経路を探った研究例として、食用として日本人には身近な存在であるワカメ(世界の外来生物ワースト100に含まれる)の例や、自生地よりも移入先で先に種として記載されていたアナアオサの例などを紹介します。また、東日本大震災の津波の影響により発生した漂流物に着生していた海藻類に関する研究についても紹介する予定です。

小笠原諸島南硫黄島の植物相とシマクモキリソウの再発見

高山 浩司 (京都大学大学院理学研究科)

 南硫黄島は小笠原諸島の南部に位置する海洋島で、有史以来人が一度も入植したことがない世界的にも大変貴重な島である。周囲7.5km、面積367haの小さな島であるが、標高の最高地点は916mで伊豆・小笠原諸島の中で最高峰を持つ。亜熱帯小笠原諸島にありながら、山頂付近の雲霧帯には温帯性の植物も生育するという特徴を持つ。2017年6月に東京都、首都大学東京、日本放送協会が連携して行われた南硫黄島自然環境調査に参加し、幻のラン、シマクモキリソウ(Liparis hostifolia)を79年ぶりに発見した。南硫黄島調査の様子を交えながら、シマクモキリソウの系統解析の結果を紹介する。

しだとこけ談話会を礎にして

道盛 正樹 (しだとこけ談話会)

 「しだとこけ談話会」は、シダの分類に興味を抱いていた諸氏と田川基二先生が、昭和25年夏の採集行の際に、「シダを本格的に勉強するためには基礎から学ばなければ駄目だ。自分が講義をしてやろう。みんなが京都へくるのはたいへんだから自分が大阪へ行こう。」と、先生自身が申し出て発足した。以降、大阪・京都・奈良・兵庫などで例会や野外観察会を持ち、勉強の好きな人たちが自らの知識欲を満たし、親睦を深めている。良く続いている理由は、田川基二先生という優れた指導者と、その教えを受け止める人材がいたことにある。会の気風は今日もまだ生き続け現在に至っている。近年のコケ分野の活動について紹介する。

球果によるマツ属の分類と日本のマツ亜属の進化史

山田 敏弘 (大阪市立大学理学部附属植物園)

 マツ属の系統は大きく,五葉松(ストロバス亜属),二葉松(マツ亜属マツ節),三葉松(マツ亜属トリフォリア節)からなる。この3系統は,球果鱗片の外部形態で分類することができる。しかし,節以下の系統を反映した球果の特徴は明らかにされておらず,特にマツ節の球果は種レベルであっても,外部形態で分類することが難しい。私たちは最近,マツ属の球果鱗片の解剖学的特徴に基づいた分類法を提案したので,本講演ではそれを紹介したい。また,私たちは,日本産マツ属の系統分化史を化石記録に基づいて解明する研究を続けている。本講演では,クロマツとリュウキュウマツが,1600万年前の中新世最温暖期以降に辿った歴史を解説する。

岐阜県可児市から見つかった新第三紀中新世のショウガ目果実化石

塚腰 実 (大阪市立自然史博物館)

 岐阜県可児市の木曽川河床に分布する新第三紀中新世(約1850万年前)の地層から、莢状の果皮の内部に多数の種子をもつ果実化石が発見された。種子は、表面の斜めの構造、凹んだ臍点、倒生、operculum(臍点付近にある栓構造)、chalazal chamber(合点に見られる空洞)の特徴がある。これらの特徴から、この化石は、ヨーロッパの新生界から多産する形態属Spirematospermumと同定される。Spirematospermumの形態は、バショウ科とショウガ科の特徴をもつ。Spirematospermumは、ヨーロッパでは白亜紀から鮮新世までの地層で発見されるが、日本では現在のところ中新世のみから発見されている。化石の産出記録をみると、ツルガイ海峡が消滅後の漸新世にヨーロッパから東アジアに分布拡大したと考えられる。

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最終更新時間:2018年11月07日 12時22分50秒

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